
図1は投与後24時間までのデータしかありません。グラフ上で血中濃度が半分になるのは5時間くらいに見えますが、これは「分布相 (α相)」です。つまり、血液中の薬が組織へ移動していく早い段階の変化です。
一方、表1の「約47時間」というのは、「消失相 (β相) 」の半減期です。薬が代謝・排泄される“本当の”時間スケールを表しています。レンボレキサントは3コンパートメントモデルで動くため、このように分布相と消失相がくっきり分かれるということです。
ただし、最終半減期(表1)が長いということは、「体内に蓄積しやすい」ということでもあります。数日間飲み続ければ、薬が抜けるまでに時間がかかります。休薬期間や投与設計では、この点に注意が必要かもしれません。

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