「零売」とは?
15,000種類ともいわれる医療用医薬品のうち、ほぼ半数近くにあたる7,300種類を処方箋なしで買える「零売薬局」。
「零売」という言葉はあまり聞き慣れませんが、実は以前から存在している制度です。
薬には「種類」がある
私たちが目にする薬(医薬品)にはいくつかの種類があり、それぞれの種類ごとに販売方法が決められています。
たとえばドラッグストアや薬局で普通に買える薬は「OTC(Over The Counter)医薬品」といい、購入の際に処方箋は必要ありません。一方、病院で診察を受ける際に処方される薬は「医療用医薬品」といい、原則として購入の際は医師の処方箋が必要です。
一般的に、OTC医薬品よりも医療用医薬品の方が効果が高いとされています。
さらに医療用医薬品も「処方箋医薬品」と「処方箋医薬品以外の医療用医薬品」に分けられます。「処方箋医薬品」というのは医師や歯科医師の処方箋が絶対に必要な薬、そして「処方箋医薬品以外の医療用医薬品」は必ずしも処方箋を必要としない、つまり「零売」の対象となる薬です。
「零売」のメリット
零売は、薬を必要とする患者さんにとって以下のようなメリットがあります。
- 効き目の高い薬(医療用医薬品)
を購入できるこれは主に、OTC医薬品と比較した場合のメリットです。零売で買える薬は病院で出されるものと同じなので、一般的な市販薬では効き目が弱いと感じている方にとっては大きなポイントといえるでしょう。 - 薬代がリーズナブル零売は処方箋なしで薬を販売するため、保険の対象になりません。これは一見するとデメリットに感じられるかもしれませんが、実際には逆です。病院に行く必要がないので受診費用などがかかりませんし、購入数量も必要最小限なので、薬代の節約につながります。
- 購入に時間がかからない零売では薬剤師が直接ヒアリングを行い、対面販売をします。その際にかかる時間はおおよそ10分程度です。病院に行けば診察時間に加えて診察や会計までの待ち時間も発生しますから、零売を利用することで大幅な時間短縮が可能です。
「零売」はなぜ少ないの?
このようにたくさんのメリットがある零売ですが、街中で零売薬局の看板を見かけることはほとんどありません。そもそも「零売」という言葉を知らない人も大勢います。
実は零売は、薬局側にとってはあまりメリットのないシステムなのです。処方箋が必要ないとはいえ「病院と同じ薬」を扱う以上、零売には以下のようなさまざまな決まりごとがあります。
- 販売数量は必要最低限に限る
- 調剤室か備蓄倉庫で保管する
- 薬剤師が調剤室で分割し、対面販売する
- 販売の際は「販売品目・販売日・販売数量・患者の氏名と連絡先」を記録する
- 患者の薬歴を管理する
零売はドラッグストアのように、気軽に薬を販売できる仕組みではありません。また同じ「医療用医薬品」を取り扱うなら、処方箋で販売する調剤薬局の方が儲かります。

コメント