問題「バルプロ酸ナトリウム」が片頭痛発作の発症抑制で処方されている場合、特定薬剤管理指導加算1を算定できる?
(処方例)
Rp1)バルプロ酸ナトリウム錠200mg「DSP」 2錠
分2 朝夕食後
28日分
答え 非表示
- Aできない
(参考資料:令和6年度版 保険調剤Q&A 資料2.薬学管理料(7)特定薬剤管理指導加算1)
Q11複数の適応を有する医薬品であって、特定薬剤管理指導加算1の対象範囲とされている適応以外の目的で使用されている場合であっても、同加算は算定可能であると理解してよいのか。
A 特定薬剤管理指導加算1の対象範囲以外の目的で使用されている場合には、同加算の算定は認められない。
クイズの解説
「バルプロ酸ナトリウム錠」の薬効分類は、「113:抗てんかん薬」と「117:精神神経用剤」なので「ハイリスク薬」に該当します。しかし片頭痛発作の発症抑制を目的として処方されている場合には、加算の対象範囲外となり、「特定薬剤管理指導加算1」を算定することはできません。

ただし、てんかん等の治療と片頭痛予防で用法・用量は共通しているところがあるため、処方目的を確認するなどの対応は必要です。
点数を計算してみよう!
具体的な例を用いて、計算してみましょう。
(処方例)
Rp1)バルプロ酸ナトリウム錠200mg「DSP」 2錠
分2 朝夕食後
28日分
56『バルプロ酸ナトリウム錠200mg「DSP」』の薬価は、14.30円なので、薬剤料は56点。内服の薬剤調整料は24点。内服の調剤管理料は、15日分以上28日分以下の場合50点です。
「バルプロ酸ナトリウム」はハイリスク薬に該当しますが、片頭痛発作の発症抑制での処方は加算の適応ではないため、「特定薬剤管理指導加算1」は算定できません。
薬剤料と薬剤調整料と調剤管理料を合わせて計算すると、56+24+50=130点です。
こんな類似事例にも注意しよう!
以下の場合は「特定薬剤管理指導加算1」が算定できるかどうか考えてみましょう。
①『エチゾラム錠1mg「EMEC」』が睡眠障害に処方されている場合
②『ベラパミル塩酸塩錠40mg「JG」』が不整脈用剤として処方されている場合
③『ビソプロロールフマル酸塩錠2.5mg「DSEP」』が高血圧に処方されている場合
④『デュロキセチンカプセル20mg「サワイ」』が慢性腰痛症に処方されている場合
①『エチゾラム錠1mg「EMEC」』が睡眠障害に処方されている場合:算定できない
『エチゾラム錠1mg「EMEC」』の薬効分類は、「117:精神神経用剤」なので「ハイリスク薬」に該当しますが、睡眠障害を目的として処方されているので算定できません。
②『ベラパミル塩酸塩錠40mg「JG」』が不整脈用剤として処方されている場合:算定できる
『ベラパミル塩酸塩40mg「JG」』の薬効分類は、「217:血管拡張剤」なので「ハイリスク薬」には該当しませんが、不整脈にも適応があります。不整脈用剤として処方されているので算定できます。
③『ビソプロロールフマル酸塩錠2.5mg「DSEP」』が高血圧に処方されている場合:算定できない
『ビソプロロールフマル酸塩錠2.5mg「DSEP」』の薬効分類は、「212:不整脈用剤」なので「ハイリスク薬」に該当しますが、降圧剤として処方されているので算定できません。
④『デュロキセチンカプセル20mg「サワイ」』が慢性腰痛症に処方されている場合:算定できない
『デュロキセチンカプセル20mg「サワイ」』の薬効分類には「117:精神神経用剤」が含まれるので「ハイリスク薬」に該当しますが、疼痛に対して処方されているので算定できません。