「濫用等のおそれのある医薬品」とは?

「濫用等のおそれのある医薬品」とは、一般用医薬品(市販薬)のうち、適正な使用量を超えて濫用されるリスクがあり、過剰摂取を防ぐために「販売できる数量」や「購入時の理由確認」などが定められているもののことです。

「濫用等のおそれのある医薬品」の定義

下記の指定された6成分を含む医薬品が「濫用等のおそれのある医薬品」として定義されています。

▼「濫用等のおそれのある医薬品」となる6成分の一覧表

以下に掲げるもの、その水和物およびそれらの塩類を有効成分として含有する製剤
・エフェドリン
・コデイン
・ジヒドロコデイン
・ブロムワレリル尿素
・プソイドエフェドリン
・メチルエフェドリン

「濫用等のおそれのある医薬品」の指定範囲拡大について

「濫用等のおそれのある医薬品」は、2013年の薬事法改正における医薬品販売制度の見直しで厚生労働省により定められました。

この指定範囲拡大により、かぜ薬(総合感冒薬)が規制の対象となりました。

日本チェーンドラッグストア協会では、対象品目が456から1275に大幅に拡大したという試算を発表しています。

具体的には、「濫用等のおそれのある医薬品」として下記があげられます。

カテゴリ商品名の一例
風邪薬パブロン、ベンザブロック、コンタック、
エスタックイブ、カコナール、ジキニン、
ルル、改源、ストナ等
咳止めミルコデA、エスエスブロン、アネトン、
ペリコデ、トニン、浅田飴等
鼻炎薬アルガード、プレコール等
鎮静剤ウット等
痛み止めナロンエース、こども用バファリン等

販売ルール(対面・インターネット販売共通)

「濫用等のおそれのある医薬品」は、リスク区分に合わせた情報提供などに加えて、下記のような購入者情報の確認事項や購入できる個数などが販売ルールとして定められています。

以下を確認し、資格者(薬剤師または登録販売者)が適正と判断した場合に限り販売する。
① 購入者が若年者(中学生、高校生等)である場合は、氏名及び年齢とともに、使用状況を確認
② 購入者が同じ医薬品を他店で購入していないか、既に所持していないかなどを確認
③ 購入できるのは原則1人1包装。複数個の購入希望がある場合は、理由や使用状況などを確認し、問題ないと判断した場合に限り販売可能
④ その他適正な使用を目的とする購入であることを確認するために必要な事項

「濫用等のおそれのある医薬品」にかかわる問題点について

「濫用等のおそれのある医薬品」にかかわる問題点について

この指定範囲拡大の背景には、「濫用等のおそれのある医薬品」などを意図的に過剰摂取する「オーバードーズ(Overdose/OD)」の急増が一因としてあります。

インターネットにおける医薬品の不適切販売

「濫用等のおそれのある医薬品」には原則1人1包装単位という販売ルールが定められています。

しかしインターネット販売では、「質問などされずに(複数個)購入できた」といったように、販売ルールが守られていないケースも見られます。

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