抗EGFR抗体薬における低Mg血漿について

抗EGFR抗体薬は、薬の作用機序によりEGFRの阻害を通じて、腎臓でのマグネシウムの再吸収を抑制し、低マグネシウム血症を引き起こすことがあります。これは特徴的な副作用で、低マグネシウム血症が進行すると低カリウム血症や低カルシウム血症を合併し、不整脈などの心電図異常につながる可能性があるため、治療中は血清マグネシウム濃度だけでなく、カリウムやカルシウム濃度も注意深くモニタリングし、必要に応じて補充療法を行うことが重要です。

腎臓の遠位尿細管に存在するTRPM6(transient receptor potential melastatin 6)の阻害によるMgの再吸収抑制が原因と考えられている。TRPM6は尿細管腔側から細胞内へMgを取り込むイオンチャネルの一種でありMgの再吸収に関与する(図1)2,3)。TRPM6の発現は上皮成長因子(epidermal growth factor: EGF)によって調節されているため、抗EGFR抗体であるCetuximabとPanitumumabによってTRPM6の発現が低下し、Mgの再吸収が抑制されることで低Mg血症が発現すると考えられている。

なのでマグミッドを自己調節しないで下痢してもMgを補充する目的で処方するパターンもある

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