「向精神薬」とは、中枢神経系に作用して精神活動に影響を与える薬物群全般のことを指す言葉です。
主に抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬、気分安定薬などの総称であり、その取扱いは「麻薬及び向精神薬取締法」によって厳格に規制されています。
向精神薬の主な分類
向精神薬は第1種向精神薬、第2種向精神薬、第3種向精神薬の3種類に分類されます。分類されている理由は治療上の有用性と乱用の危険性によるものです。
例えば、リタリンやコンサータといったメチルフェニデート塩酸塩製剤では、医薬品のリスクや治療の有効性の観点からも、流通管理の厳しい義務が設けられています。
基本的に市場に登場して1年未満の新薬は、処方できる最大期間が原則14日間に限られています。しかし、麻薬や向精神薬の扱いについては、別途、麻薬及び向精神薬取締法で定められています。
向精神薬を処方できる最大期間は医薬品の種類によって異なり、14日、30日、または90日の制限が課せられています。
30日の制限とする薬は最も多く、アルプラゾラム、エスタゾラム、フルニトラゼパム、ブロチゾラムなどがあります。また、90日とされているのはジアゼパム、ニトラゼパム、フェノバルビタールなどです。
向精神薬の中にもハイリスク薬が存在する
ハイリスク薬とは、使い方を誤ると健康被害をもたらす場合もある「とくに安全管理が必要な医薬品」のことです。向精神薬の中にも、ハイリスク薬が存在します。