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喘息治療に用いるステロイド薬「プレドニゾロン」の特徴と効果、副作用

プレドニゾロンはステロイド薬の一種です。軟膏(塗り薬)や注射、粉薬などもありますが、喘息の治療では、主に錠剤(プレドニゾロン錠)を用います。

1.プレドニゾロン錠とはどのような薬か

プレドニゾロン錠(販売名:プレドニン錠)は、経口ステロイド薬と呼ばれるタイプの薬剤であり、強力な抗炎症作用や免疫抑制作用を持つ薬です。

喘息のほか、関節リウマチなどの自己免疫系疾患やアレルギー疾患、血液疾患など、幅広い疾患に適応を持ちます。

喘息の治療では、まずはステロイドの作用が気道に直接作用するように作られている吸入ステロイド薬と、気管支拡張薬を処方します。

しかし、これらの薬剤だけではよくならない場合は、ロイコトリエン拮抗薬やテオフィリン製剤を追加します。

それでも効果が感じられない時に、経口ステロイド薬であるプレドニゾロン錠を用いることがあります。

吸入ステロイド薬は、使用した部位にのみ作用し、それ以外の部位にはほとんど吸収されません。また、使用量もごくわずかであるため、副作用は非常に少ない薬です。

しかし、経口ステロイド薬は、全身にさまざまな副作用が現れるリスクがあります。

「副作用がある」というと、怖い薬だと思ってしまうかもしれません。しかし、喘息が重症化・難治化すると、最悪の場合、呼吸困難で死亡することもあります。

副作用よりも、薬を使わず症状が悪化していく方がよほど怖いと判断した時に、医師は経口ステロイド薬を処方します。

2.プレドニゾロン錠の使い方

プレドニゾロン錠は、成人の場合、1日に5〜60mgを1〜4回に分けて、水かぬるま湯と一緒に飲みます。

しかし、効果や副作用には個人差が大きいため、1日1mgなどの低用量で使用する場合もありますし、60mg以上を使用することもあります。

プレドニゾロン錠には、5mg、2.5mg、1mgの錠剤があり、喘息治療では、患者さんの症状や健康状態などを考慮しながら、用法容量を決めていきます。

ですから、必ず医師の指示に従って服用し、自己判断で量や回数を調節しないようにしましょう。

3.プレドニゾロン錠の副作用

プレドニゾロン錠の副作用には、以下のようなものがあります。

 ・体重増加
 ・高血圧
 ・糖尿病
 ・骨粗しょう症
 ・脂質異常症
 ・胃潰瘍
 ・感染症にかかりやすくなる
 ・白内障

また、満月様顔貌(ムーンフェイス)と呼ばれる、顔が丸くなってしまう副作用が出ることもあります。しかし、ステロイド薬が減量できれば元に戻ります。

4.使用上の注意点

持病やアレルギーのある人、服薬中の人は医師に伝えておきましょう。また、水痘(水ぼうそう)または麻疹(はしか)にかかったことがなく、これらの予防接種を受けていない人も、医師に伝えてください。

経口ステロイドを長期間服用後、急に投与を中止すると、発熱、頭痛、食欲不振、脱力感、筋肉痛、関節痛、ショック等の離脱症状があらわれる可能性があります。

これらの症状を防ぐためには、少しずつ薬を減らしていく必要があるため、医師の判断を仰ぎながら、用法容量を調節していきましょう。

妊娠中やその可能性のある方、授乳中の方は医師に相談してください。

プレドニンの使い方

体内におけるステロイドの分泌量は常に一定ではありません。朝起きた後(4〜8時)の30分〜1時間が最も分泌量が多く、夕方〜夜にかけて少なくなり、就寝2〜3時間後が最も少ないです。プレドニンを投与する際は生体のリズムに近づけるために朝や昼に内服することが多いです。

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