- Q.ずいぶん前にもなった覚えがあります
- A. 膀胱炎は若い女性に多い病気ですが、中高年でも珍しくありません膀胱炎は、肛門付近に付着している大腸菌や、皮膚の常在菌などが尿の出口からさかのぼって侵入し、膀胱内で増殖することによって発症します。男性と比べると、尿の出口から肛門や膀胱までの距離が短く、細菌が侵入しやすいため、膀胱炎は女性に多い病気です。
- Q.治療について教えてください
- A. 抗生物質の飲み薬で治療しますが、こまめな水分摂取も大切です膀胱炎の治療には、出された抗生剤を飲みきることが重要です。中途半端に切り上げると治療がやり直しになるリスクが高いのみならず、薬が効かない菌へと変化して治りにくくなってしまいます。
さらに、水分をこまめにとって尿を多く出すことで、膀胱内を洗い流して物理的に細菌の量を減らすことも欠かせません。 - Q.特に気をつけるべき症状はありますか?
- A. 発熱や腰痛などが出たら、すぐに受診が必要です膀胱炎が悪化すると、細菌が膀胱から尿管をさかのぼって腎臓に到達し、腎盂腎炎という重症の感染症を起こします。腎臓は血流が豊富なため、菌が血流にのって全身を巡りやすく、敗血症というさらに重篤な感染症を引き起こす危険性も高まります。膀胱炎が重症化しつつある兆候としては、寒気や震えを伴う高熱や、腎臓の痛みでの腰痛、吐き気や低血圧などのショック症状などがあげられます。これらの症状が出ていると入院が必要な場合が多いので、早急に大きな病院の内科や泌尿器科を受診することが大切です。平日の日中で移動できそうな場合には、かかりつけの内科で相談し、紹介状を書いてもらうのがおすすめです。具合が悪くて移動が困難な場合や、休日や夜間帯などには、翌日まで様子見をせずにすぐに救急病院を受診する必要があります。
- Q.予防に大切なことは何ですか?
- A. 普段からこまめに水分を取ることや、トイレを我慢しないことなどが大切です膀胱炎を予防するためには、膀胱内を清潔に保つことが重要です。細菌は、尿の出口から尿道を通って膀胱へと入り込んできますので、定期的に排尿して尿道を洗い流すことが大切です。消毒や過度な洗浄は、粘膜を荒らしてしまって逆効果です。特に女性の場合は、お尻を拭くときに前から後ろへと優しく拭くように心がけたり、ウォッシュレットを使いすぎないこともおすすめです。
- Q.どれくらい水分をとれば良いですか??
- A. 1日に1.5Lが目安ですが、状況によって変わります食事以外にとる1日の水分量の目安は、1.5L 程度とされてます。しかしながら、気温や湿度、年齢や体格によっても必要な水分の量は変わります。
水分をとりすぎると体内の塩分バランスが狂って不調を招きます。特に心臓や腎臓の機能低下がみられる人では、浮腫を伴って体調の悪化をきたしますので、脱水にならない範囲で適量をとることが大切です。 - Q.脱水かどうかを知る方法はありますか
- A. 尿の色の濃さが参考になります尿の色合いで脱水の程度を知ることができます。右の図の、薄い黄色から琥珀色まで8段階の色見本を参考に、上から1‐3番目の色合いを目標に水分量を調整してください。色見本で2段階薄い色の尿にするために必要な水分量は、1日に1200ml程度と報告されています。
- Q.何を飲んだら良いですか?
- A. お水を小分けにとることがおすすめです普段の水分補給には水がおすすめです。アルコールや、カフェインの入った飲み物には尿を増やして脱水を助長する作用があるため、とりすぎないように注意が必要です。お茶の中では、麦茶やそば茶といった穀物から作られたお茶にはカフェインが含まれませんので、水の代わりとしても良いでしょう。年齢を重ねるにつれて、体内の水分量が減ります。若年者に比べて高齢者では約10% 少なく、体重の50%程度にとどまります。さらに加齢と共に口渇を感じにくくなっており、気づかないうちに脱水症状を起こしやすく注意が必要です。
体内にとどめられる水分量には制限がある一方で、呼吸や発汗などで徐々に水分を失ってゆきます。従って水分は一度にたくさん飲むのではなく、小分けに少しずつ飲むのがおすすめです。脱水症状がある場合にはOS‐1などの経口補水液が吸収されやすくておすすめですが、塩分も多く含まれるので、血圧や浮腫などにも気をつけながら必要な分だけとりましょう。スポーツ飲料には糖分が非常に多く含まれているため、とりすぎないように気をつけましょう。