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家庭での血圧の測り方、正しいのは?

昔は診察室で血圧を測定することが多くそこでの血圧を指針として血圧の治療が行われていました。今も自宅で血圧計がない方などのために測定することはありますがあまり信頼性は高くありません

なぜなら普段はそこまで高くないのに医師の前だと「高いとどうしよう…」と不安になり血圧が上昇してしまうこと結構ありますよね?この状態を白衣高血圧といいます。

病院での血圧を指針に治療をしてしまうと普段の血圧が下がりすぎてしまい余計な副作用のリスクがあります。そもそも血圧の薬が必要でない方もいらっしゃいます。

一方で診察室での血圧は正常なのに実は家庭での血圧が高い方のことを仮面高血圧といいます。診察室で緊張される方は信じられないかもしれませんが、10.4%いることがわかっています。仮面高血圧の理由は診察室で安心できる、仕事のストレスが一時的に忘れられること、また喫煙者が院内で禁煙となるためしばらく喫煙をしないことなどが原因ではないかと言われていますが定かではありません。

いずれにせよこういった事があるので病院での血圧よりも自宅での血圧が大切である事はお分かりいただけると思います。

では血圧を測定するのはいつが良いのか?

家庭での血圧測定の最適なタイミングは、毎日決まった時間に、起床後1時間以内と就寝前です。特に朝の測定は、夜間の血圧変動を反映するため重要です。1日2回測定できる場合は、起床時と就寝前を推奨します。1回しか測定できない場合は、起床後1時間以内が理想的です。

詳細:

  • 起床後:起きて1時間以内、トイレ後、朝食前、服薬前に測定します。
  • 就寝前:就寝前に、入浴後1時間以上経過してから測定します。
  • 測定時の注意点:座って、背もたれのある椅子に座り、リラックスした状態で測定します。測定する前は1~2分安静にしてから測定します。
  • 測定頻度:毎日決まった時間に、最低1回は測定しましょう。1日2回測定できる場合は、朝と夜の2回測定するのが理想的です。
  • 測定結果の記録:測定結果を記録し、医師に見せる際に役立てましょう。
  • その他:食事や飲酒の直後、入浴直後などは血圧が変動しやすいので、測定は避けるようにしましょう.

まとめ:

家庭での血圧測定は、毎日決まった時間に、起床後と就寝前に行うことが推奨されます。測定時の姿勢や環境にも注意し、正確な値を把握しましょう。記録した血圧を医師に見せることで、より適切な健康管理につながります.

特に朝起きてすぐの血圧は重要で、人によっては夜から明け方にかけて血圧が急激に上昇する方がいらっしゃいます。こうした人は心臓病や脳血管障害を起こしやすいことが解っています。夜眠っている間の血圧は朝の血圧値に現れやすいので、朝の血圧値が重要です。

家庭血圧の優れている点は?一日何度でも毎日測定できる点です。続けることができれば、毎日ではなくても血圧の平均が分かります。診察室で測る血圧は、1~2か月に1~2回かぎりです。診察室では実際よりも血圧が高めになることもよくあります(白衣高血圧)。高血圧のガイドラインでも診察室血圧より家庭血圧が優れていると明記されています。

正しい血圧の測定方法は?

リラックスして座った状態で、測定する部位を心臓の高さにしましょう。血圧は重力の影響を受けるので、腕を心臓より低くすると「血圧は高めに」、腕を心臓より高く上げると「血圧は低め」に測定されます。寝て測定しても良いのですが、座って測るよりも少し高めにでます。

測定する姿勢で血圧は変わるの?

寝ている姿勢が最も血圧が高くなります。
寝る > 座る > 立つの順で血圧が低くなります。体を起こしていくと、重力の影響で足に向かった血液の戻りが悪くなるためです。この血圧の上下が激しい場合、立った時に急に血圧が下がり「立ちくらみ」が起こります。
ご家庭での測定は、「背もたれのある椅子に座って」がよろしいかと思います。

手首の血圧計はどうなんでしょう?

理論上は良いのですが、(解剖学上腕より手首の動脈は締めにくいので)測定値が不正確にでる可能性があり、上腕式のものがおすすめです。
ふくよかで腕にカフを巻くのがきつい方などは手首式でも良いと思います。その際は心臓の高さに手首をおいて測定してください。

いつ、何回測定するの?

できれば、1日2回で起床時と就寝前が良いです。1日1回であれば朝の測定を優先してください。
ベストは起きてから1時間以内で、排尿した後、朝食前(お薬を飲む前)になりますが、気になって測定するのが面倒になるくらいならいつでも構いません。
高血圧が原因となる心筋梗塞や脳出血を防ぐには、この早朝の血圧管理が大事とされています。でも、朝は忙しい方も多いですよね。無理せず就寝前1回でも十分です。就寝前(夕食後・お薬服用後)は早朝より血圧は低くなることが多いです。

左右で血圧が違うんですが?

収縮期血圧(上の血圧)で10mmHgまでの左右差は正常範囲です。気にする必要はありません。
左右で15mmHg以上も違うようであれば、血圧が低い方の腕の動脈硬化が起こるなどして血流が低下している可能性がありますので医師に相談しましょう。

1日で血圧が一番高いのは?

血圧は自律神経の影響をうけて1日の中でも変動します。就寝中が一番低く、起きてから活動するにつれて高くなります。日中は交感神経の方が副交感神経より優位なため血圧は高くなります。夜になるにしたがって副交感神経優位になり、血圧は低くなっていきます。

血圧に影響を与えることが他にありますか?

  • 激しい運動 → 高くなります。
  • 入浴 → 入り始めは(熱いお湯などかけると)高くなり、体が温まると低くなります。
  • アルコール → 少量だと下がります。ただし、長期間過量に飲むと高血圧の原因になります。
  • 食事 → 食後は低くなり、1時間ほどで戻ります。
  • 気温 → 暖かいと下がり、寒くなると高くなります。
  • 緊張や興奮 → 高くなります。

睡眠時無呼吸症候群が原因のことがあり見逃していると大変な事に。いびきをしているなら検査をしよう。

原因の一つに睡眠時無呼吸症候群の存在が言われています。もしいびきがあると言われた方は睡眠時無呼吸の治療を行うことで血圧の管理がぐっと良くなるかもしれませんので一度調べてみることをお勧めします。

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