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外来服薬支援料2(一包化加算)の算定要件を満たそう!処方事例あり

外来服薬支援料2については、こういうケースは算定出来るのか?といったお問い合わせを多く頂きます。

そこで今回は、処方例を具体的に挙げながら、算定可否について考えてみたいと思います。

注)処方例については断りが無い限り、一包化について医師の了解を得ている等の要件を満たしているものとします。

処方例1:一部の薬をPTPでお渡しするケース

Rp1 A錠  3錠
   B錠  3錠
   C錠  3錠
   1日3回毎食後 28日分

Rp2 D錠  1錠
   1日1回寝る前 28日分

Rp1を一包化、Rp2をPTPでお渡しした場合は外来服薬支援料2を算定可でしょうか?それとも算定不可でしょうか?

結論としては算定可と考えています。
ただし、PTPから錠剤を取り出すことが困難である等の理由(リウマチや目が悪い等)があれば、Rp2についても分包する必要があります。

今回の処方例の様に、ある服用時点(今回は寝る前)が1種類の錠剤のみで、かつ、患者さんが問題なく服用できるのであれば、PTPのままのお渡しでも算定可能と考えます。

この点については以下の通り疑義解釈が示されています。

(問1)
処方された薬剤を一包化する際に、吸湿性が強い等の理由で直接の被包(PTPシート)から取り出すことができない薬剤をPTPシートで交付するなど一包化とは別にした場合であっても、その薬剤を除いて一包化した部分が算定要件を満たしていれば一包化加算を算定できるか。 

(答)算定して差し支えない。
この場合、一包化をしなかった薬剤及びその理由を調剤録等に記録しておくことが望ましい。

引用元:厚生労働平成27年2月3日事務連絡「疑義解釈資料の送付について(その12)」

なお、以下の様にRp2が複数の薬剤となっている場合に外来服薬支援料2を算定するには、Rp1とRp2についてそれぞれ一包化する必要があります。

Rp1 A錠  3錠
   B錠  3錠
   C錠  3錠
   1日3回毎食後 28日分

Rp2 D錠  1錠
   E錠  1錠
   1日1回寝る前 28日分

処方例2:散剤や臨時薬が同時処方されたケース

処方例2-1

Rp1 A錠  3錠
   B錠  3錠
   C錠  3錠
   1日3回毎食後 28日分

Rp2 D散  3g
   E散  3g
   1日3回毎食後 28日分

処方例2-2

Rp1 A錠  3錠
   B錠  3錠
   C錠  3錠
   1日3回毎食後 28日分

Rp2 D錠  3錠
   E錠  3錠
   1日3回毎食後 5日分

   ※Rp2は風邪による臨時処方

これらの処方について、Rp1とRp2を別々に一包化した場合は算定可能でしょうか?

結論としては算定可能です。
この点は算定要件で明確に示されています。

~外来服薬支援料2の算定要件~

(6) 患者の服薬及び服用する薬剤の識別を容易にすること等の観点から、錠剤と散剤を別々に一包化した場合、臨時の投薬に係る内服用固形剤とそれ以外の内服用固形剤を別々に一包化した場合等も算定できるが、処方箋受付1回につき1回に限り算定する。

引用:厚生労働省「別添3 調剤報酬点数表に関する事項 2 外来服薬支援料2」

なお、これらの処方例は、Rp1とRp2を別々に一包化した方が患者さんにとっては服薬しやすくなるケースの方が多いため、このような要件になっていると思われますが、Rp1とRp2を一緒に一包化した方が患者さんにとって服薬しやすくなるのであれば、そのように対応頂くことでも算定可能です。

処方例3:計量混合調剤加算や自家製剤加算を算定するケース

処方例3

Rp1 A錠  3錠
   B錠  3錠
   1日3回毎食後 14日分

Rp2 C錠  2錠
   D錠  2錠
   1日2回朝夕食後 14日分

Rp3 E散  1g
   F散  1g
   1日1回寝る前 14日分

この処方について、Rp1とRp2を一包化することで外来服薬支援料2を算定し、Rp3はE散とF散を混合することで計量混合調剤加算を算定することは出来るでしょうか?

結論としては算定可能です。
算定要件上、外来服薬支援料2を算定した範囲の薬剤については、自家製剤加算や計量混合調剤加算の併算定は出来ないこととなっています。

~外来服薬支援料2の算定要件~

(8) 外来服薬支援料2を算定した範囲の薬剤については、自家製剤加算及び計量混合調剤加算は算定できない。

引用:厚生労働省「別添3 調剤報酬点数表に関する事項 2 外来服薬支援料2」

ここで指す、「外来服薬支援料2を算定した範囲の薬剤」とは何を指すのでしょうか?
処方例3の場合、Rp1とRp2が「外来服薬支援料2を算定した範囲の薬剤」となり、Rp1・Rp2のどちらとも服用時点の重ならないRp3はこの範囲に含まれないことになります。

つまり、Rp3は「外来服薬支援料2を算定した範囲の薬剤」ではないため、Rp3については計量混合調剤加算を算定可能となります。

参考:厚生労働省平成22年4月30日事務連絡「疑義解釈資料の送付について(その3)」

まとめ 

今回は、外来服薬支援料2を取り上げました。
今回お示しした処方例はあくまで一例であり、他にも悩みがちなケースは数多くあると思われます。

外来服薬支援料2の算定可否において、最も重要な視点は、患者さんにとって服用しやすいように一包化をしているかどうかであると考えています。
悩みがちなケースは多いと思いますが、今回お示しした処方例の考え方をベースに、患者視点で算定可否をご判断頂ければと存じます。

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