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チュアブル錠と内服錠の薬剤調整料、DSの薬剤調整料の計算について

モンテルカストチュアブル錠5mg「トーワ」とエピナスチン塩酸塩錠10mg「サワイ」が就寝前で処方されている場合、薬剤調整料は何剤として算定する?

(処方例)
 Rp1)モンテルカストチュアブル錠5mg「トーワ」  1錠
    分1 就寝前   14日分
 RP2)エピナスチン塩酸塩錠10mg「サワイ」     1錠
    分1 就寝前   14日分


答え 非表示

  • A2剤として算定する

今回ピックアップする算定項目は? 「チュアブル錠と内服錠の薬剤調整料」

内服薬の「薬剤調整料」は「1剤」を単位として算定します。2種類以上の薬剤が処方されている場合、服用時点が同じであるかどうかが「1剤」の基準となりますが、今回の「チュアブル錠」と「内服錠」のように服用方法が異なる場合は、服用時点が同じであっても別剤として算定できます。

(根拠法令:01薬剤調整料 通知(1)内服薬 イの(ニ)の③)

(イ)及び(ロ)にかかわらず、次の場合は、それぞれを別剤として算定できる。
③ 内服錠とチュアブル錠又は舌下錠等のように服用方法が異なる場合

クイズの解説

『モンテルカストチュアブル錠5mg「トーワ」』と『エピナスチン塩酸塩錠10mg「サワイ」』の服用時点は同じ就寝前なので、通常であれば「1剤」として扱うもののように思えます。ですが、チュアブル錠は嚙み砕いてから服用する錠剤です。水などでそのまま飲み込む内服錠とは服用方法が異なるため、同じ服用時点であっても別剤として算定できます。

点数を計算してみよう!

具体的な例を用いて、計算してみましょう。

(処方例)
 Rp1)モンテルカストチュアブル錠5mg「トーワ」  1錠
    分1 就寝前   14日分
 RP2)エピナスチン塩酸塩錠10mg「サワイ」     1錠
    分1 就寝前   14日分

「チュアブル錠」と「内服錠」なので、2剤として算定します。

『モンテルカストチュアブル錠5mg「トーワ」』の薬価は19.60円なので、薬剤料は14日分で28点。内服の薬剤調整料は24点、内服の調剤管理料は8日分以上14日分以下の場合28点です。

『エピナスチン塩酸塩錠10mg「サワイ」』の薬価は14.40円なので、薬剤料は14日分で14点。内服の薬剤調整料は24点、内服の調剤管理料は8日分以上14日分以下の場合28点です。

薬剤料と薬剤調整料と調剤管理料を合わせて計算すると、(28+24+28)+(14+24+28)=146点です

こんな類似事例にも注意しよう!

以下の処方の場合は、薬剤調整料は何剤で算定するか考えてみましょう。

① Rp1)モンテルカスト細粒4mg「トーワ」    1包
     分1 就寝前  14日分
  RP2)エピナスチン塩酸塩DS小児用1%「サワイ」 1g
     (水に溶かして調剤)
     分1 就寝前  14日分

② Rp1)モンテルカストOD錠10mg「トーワ」  1錠
     分1 就寝前  14日分
  RP2)エピナスチン塩酸塩錠20mg「サワイ」  1錠
     分1 就寝前  14日分

①の処方の場合:2剤で算定する

『モンテルカスト細粒4mg「トーワ」』は散剤で、『エピナスチン塩酸塩DS小児用1%「サワイ」』はドライシロップですが水に溶かすため液剤として扱います。内服用固形剤と内服用液剤は、同じ服用時点であっても別剤として扱うため、2剤で算定します。

ちなみに、『エピナスチン塩酸塩DS小児用1%「サワイ」』を粉のままで調剤した場合は、どちらも散剤で、服用時点も同じなので、1剤として算定します。

(根拠法令:01薬剤調整料 通知(1)内服薬 イの(ニ)の②)

(イ)及び(ロ)にかかわらず、次の場合は、それぞれを別剤として算定できる。
② 内服用固形剤(錠剤、カプセル剤、散剤等)と内服用液剤の場合

②の処方の場合:1剤で算定する

『モンテルカストOD錠10mg「トーワ」』は口腔内崩壊錠で、『エピナスチン塩酸塩錠20mg「サワイ」』は内服錠です。OD錠は水なしでも服用できる錠剤ですが、普通の内服錠と同じように水で服用することもできるため、服用方法が異なるとは言えません。服用時点が同じ内服用固形剤なので、1剤で算定します。

(参考:令和6年版 保険調剤Q&A Q45のA)

口腔内崩壊錠については、「水なしでも服用できる」とされている錠剤ですが、通常の錠剤と同様に、水またはぬるま湯で服用することも可能です。そのため、口腔内崩壊錠と普通の固形剤を同時に服用するような処方内容(すなわち、同一の服用時点)の場合には、わざわざ口腔内崩壊錠だけを別剤として算定する必要性があるとは考えにくいことから、同一の服用時点であれば「1剤」として解釈するのが妥当でしょう。

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