重複投薬・相互作用等防止加算の概要

重複投薬・相互作用等防止加算は、重複投薬や相互作用の防止目的で処方医へ疑義照会を行い、処方が変更された場合に算定できる加算です。

「残薬調整に係るもの以外の場合」と「残薬調整に係るものの場合」の2区分あり、点数が異なります。
「重複投薬・相互作用等防止加算」の算定は、地域支援体制加算を取得するための要件の一つにもなっています。
イ:残薬調整に係るもの以外の場合(40点)
重複投薬・相互作用等防止加算の「イ」は、以下に挙げるような内容について処方医に疑義照会を行い、処方の変更が行われた場合に算定できます。
- 同種・同効の併用薬との重複
- 併用薬・飲食物等との相互作用
- 過去のアレルギー歴・副作用歴
- 年齢や体重による影響
- 肝機能、腎機能等による影響
- 授乳・妊婦への影響
- 薬学的観点からの処方追加や日数延長
算定には、これら内容について疑義照会し処方が変更される必要があります。
平成28年度改定より、アレルギー歴や副作用歴による処方変更、薬学的観点からの薬剤の追加や日数の延長を行った場合なども「重複投薬・相互作用等防止加算」を算定できるようになりました。
ロ:残薬調整に係るものの場合(20点)
重複投薬・相互作用等防止加算の「ロ」は、残薬数を処方医へ連絡し、処方が変更された場合に算定できます。
重複投薬・相互作用等防止加算の算定時の注意点・ポイント

- 処方箋受付1回につき1回のみ算定できる
- 処方医に連絡・確認を行った内容の要点・変更内容を薬歴に記載する
- 残薬及び重複投薬が生じる理由を分析するとともに、必要に応じてその理由を処方医に情報提供する
- 在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料、居宅療養管理指導費、介護予防居宅療養管理指導費を算定している患者については算定できない
「重複投薬・相互作用等防止加算」は、処方箋受付1回につき1回のみ算定できます。
同時に複数の処方箋を受け付け、それぞれの処方箋について疑義照会を行い処方変更があった場合でも、算定できるのは1回のみです。
薬歴には、重複投薬・相互作用等防止加算の対象となる事項について、処方医へ問い合わせを行った内容やそれにより処方がどう変更されたかなどを記載します。
また、令和6年度改定より、留意事項に「当該加算を算定する場合においては、残薬及び重複投薬が生じる理由を分析するとともに、処方医に対して連絡・確認する際に必要に応じてその理由を処方医に情報提供すること」との文言が追加されました。
これまでは、残薬調整などで「重複投薬・相互作用等防止加算」を算定するのに併せて、トレーシングレポートで処方医へ情報提供を行い「服薬情報等提供料2」を算定することもできましたが、理由の分析と情報提供までが「重複投薬・相互作用等防止加算」に含まれることが示されたことで、単なる情報提供のみで服薬情報等提供料を併せて算定することが難しくなりました。