スイスフランとは主にスイスという国の通貨です。
EU連合ユーロ圏の政治経済状況の影響下以外では、値動きしにくい「安全な通貨」として認知されていました。
スイスは豊かな自然に囲まれた多民族多言語の国です。1815年に永世中立国として認められ、その姿勢を保っています。
スイスフランショックとは
スイスフランショックとは、2015年1月15日のスイスの突然の金融政策変更でスイスフランが暴騰したことによる外国為替市場での大混乱のことです。

20分程度で41%のユーロスイスフランの暴落、すなわちスイスフランの暴騰が発生しました。
理由は、市場参加者が一斉に損失確定のユーロ売りとスイスフラン買いを行ったからです。
スイスフランショックが発生した原因
ユーロスイスフランの上限廃止
スイスフランショックが発生した原因は、2015年1月15日にスイス中央銀行が発表したフラン上限の廃止です。
2015年1月15日までの3年間、1ユーロ=1.20フラン付近でスイス中央銀行がユーロ買い・スイスフラン売りの介入をしていました。スイスはもともと輸出で儲けていたので、スイスフランの暴騰を恐れていたからです。
すなわち、ユーロフランの上限は1ユーロ=1.20フランでした。しかし、スイス中銀がその無制限介入をやめると発表したことでスイスフランに対しての買い注文が殺到しました。それが原因で、わずか20分のうちに世界中の通貨が暴落してスイスフランが暴騰しました。
ユーロスイスフランの上限を廃止した理由
スイス国立銀行(中央銀行)がユーロスイスフランの上限を廃止した理由は、量的緩和策が発表されるとスイス銀行が無制限介入への予算を用意できなくなるからです。
要約すると、欧州中央銀行が市場に出るユーロの量を増加しようとしていました。それを量的緩和策と呼びます。もしユーロが増えるとその分ユーロでスイスフランを買われてしまい、介入のための予算も増やさなくてはなりませんでした。
そのため、スイス中央銀行はユーロの量が増えた場合の予算を用意できないと判断し、量的緩和策が発表される一週間前にユーロスイスフランの無制限介入を辞めると発表しました。
もし無制限介入を辞めなかった場合、スイス中央銀行は不必要に予算を費やすことになり、スイスは大不況に陥っていました。中央銀行に金がなければ銀行として機能できないからです。