神社解説

リオナ錠の特性について

「慢性腎臓病患者における高リン血症の改善」と「鉄欠乏性貧血」の2つの適応症を有しています。

消化管内で第二鉄(3価鉄)とリン酸が結合し、難溶性の沈殿(リン酸第二鉄)を形成することでリンの消化管吸収を抑制します。

鉄の補充と貧血の改善のメカニズム

作用メカニズム<鉄欠乏性貧血>

リオナは、十二指腸シトクロムb(Dcytb)により2価鉄イオンに還元されて消化管から吸収されます。吸収された鉄は、血中のトランスフェリンに結合して生体内を循環します。その後、骨髄にて赤芽球に取り込まれ、ヘモグロビン合成に利用されることで貧血を改善すると考えられます。また、一部の鉄は貯蔵鉄として細胞内のフェリチンとして蓄えられます。

慢性腎臓病の高リン血症の治療薬であるクエン酸第2鉄水和物「リオナ®錠」が、血液中の鉄を上昇させ、鉄欠乏性貧血の治療効果が認められたことより、2021年に鉄欠乏性貧血にも適応拡大されました。

リオナとフェロミアは、どちらも鉄欠乏性貧血の治療に用いられる薬ですが、有効成分と作用機序が異なります。リオナはクエン酸第二鉄水和物、フェロミアはクエン酸第一鉄ナトリウムを有効成分としています。リオナは第二鉄イオンを、フェロミアは第一鉄イオンを体内に供給します。また、リオナはリンの吸収を抑制する効果も期待できます。

フェロミア (Feromia)

  • 有効成分:クエン酸第一鉄ナトリウム
  • 作用機序:第一鉄イオンを供給し、貧血を改善します。
  • 特徴:
    • 徐放性製剤(フェロ・グラデュメット)は、急激な鉄イオンの放出を抑えることで、胃腸障害を軽減します.

リオナとフェロミアは、どちらも鉄欠乏性貧血の治療薬ですが、有効成分と作用機序が異なります。リオナは第二鉄イオンを供給し、リンの吸収も抑制する効果が期待できます。

この薬は、悪心、嘔気などの胃腸障害が鉄の内服剤に比較して少ないことが特徴になります。

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