2-1. どういった経緯で?禁忌になる理由
2017年4月に、米国食品医薬品局(FDA)がコデイン類及びトラマドール塩酸塩を含む医療用医薬品の12歳未満の小児等への使用を禁忌とすることを発表しました。EUでは、2015年4月に12歳未満の小児への使用はすでに禁忌となっています。
理由としては、重篤な副作用である「呼吸抑制」のリスク(※1)があります。12歳未満の小児ではそのリスクが高くなるためです。
鎮痛薬として使用されるトラマドール塩酸塩も、コデイン類と同様に呼吸抑制のリスクが考えられることから注意喚起と対応が実施されます。
(※1)
コデイン類は、体内では、代謝酵素(CYP2D6)によって効果を示す化合物(モルヒネ等)に代謝され、鎮咳作用を示します。この代謝酵素(CYP2D6)には遺伝性があり、遺伝的に活性が強い方の場合、モルヒネ等の血中濃度が高まってしまい、呼吸抑制の副作用が発現しやすくなることがあります。
2-3. どんな薬が禁忌の対象になる?
コデイン類を含むものが禁忌の対象ですが、医療用医薬品では、ジェネリック医薬品等も含めると65品目が該当し、市販薬は、流通しているものが約600品目あり、その内、小児専用のものが約100品目あると発表されています。
市販薬は非常に多くのお薬が該当しますので、注意が必要です。
医療用医薬品の一例をご紹介します。
・フスコデ配合錠
・フスコデ配合シロップ
・カフコデN配合錠
・サリパラ・コデイン液
・セキコデ配合シロップ
・ライトゲン配合シロップ
・オピセゾールコデイン液
・クロフェドリンS配合錠
・クロフェドリンS配合シロップ
・ニチコデ配合散
・ジヒドロコデインリン酸塩/原末「メーカー名」等
・コデインリン酸塩錠/散/原末「メーカー名」等
また、トラマドール塩酸塩を含む
・トラマールOD錠25mg/50mg
・トラムセット注100
・トラムセット配合錠
・ワントラム錠100mg
も別途、該当になります。