
トラゼンタ(一般名:リナグリプチン)は、インクレチン(消化管から分泌されるホルモンの一種)を分解するDPP-4という酵素を選択的に阻害する薬剤です。
インクレチンは、インスリンの分泌を促す作用と肝臓における糖の産生を抑制する作用を併せ持つホルモンです。
トラゼンタは、DPP-4を競合的かつ可逆的に阻害してインクレチンの濃度を上昇させ、結果として血糖低下作用を示します。
トラゼンタ錠5mgの特徴
トラゼンタは、血糖が高いときにインスリンの分泌をうながし、適度な血糖降下作用を示す薬剤です。この系統の薬剤(DPP-4阻害薬)は腎臓から排泄されるものが多いですが、トラゼンタはおもに胆汁から未変化体で排泄されるため、腎機能や肝機能の程度によらず同一用量で用いることができます。低血糖などの副作用も比較的少ないため、高齢の方にも使いやすいのが大きな特徴といえます。
適応疾患・用法用量
トラゼンタは2型糖尿病に適応があり、成人には通常1日1回5mgを投与します。
なお、トラゼンタの使用は、あらかじめ非薬物療法(食事療法+運動療法)を十分に行ったうえで効果が不十分な場合に限り考慮します。