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肺循環と体循環の違いは?

肺循環と体循環の違いは?

全身を巡ってきた静脈血は、右心室から肺動脈に流れ込み、2方向に分かれて肺門から左右の肺に流入します。肺で二酸化炭素を体外に排出し、酸素を受け取ると、動脈血へと生まれ変わります。

こうして酸素を豊富に含んだ動脈血は、肺静脈に入り、左心房に注ぎ込まれます(図1)。

このように右心室→肺動脈→肺→肺静脈→左心房という経路で行われる循環を肺循環といいます。

図1体循環と肺循環

体循環と肺循環

一方、左心室→大動脈→全身の器官・組織→上大静脈・下大静脈→右心房という経路で全身を巡っているのが体循環(たいじゅんかん)です。

左心室から出た大動脈は何本もの動脈枝を出し、その動脈枝がさらに枝分かれして全身に血液を送ります。

循環器は呼吸器と密接に関係していて、肺循環も体循環もガス交換を行っています。

肺循環では、呼吸運動によって得られた空気から酸素を受け取り、二酸化炭素を受け渡しています。これを外呼吸(がいこきゅう)といいます。

一方、体循環では、細胞に酸素を渡し、活動によって出た二酸化炭素を受け取っています。これを内呼吸(ないこきゅう)といいます(「ガス交換ってどんなもの?」参照)。

  • 心不全で咳や痰がでるのはなぜですか?
  • A心臓は血液を全身に送り出していますが、全身から血液を吸い上げる役割もしています。つまり、心臓は全身から血液を吸い上げ、それをまた全身に送り出し、血液の循環を行っています。心不全になるとそのいずれかあるいは両方の機能が悪化します。全身から心臓に血液を吸い上げる力が低下すると、心臓に帰れない血液が肺や手足に溜まります。肺に血液が溜まると、血液中の水分が肺にしみ出して、痰としてその水分を排出しようとするため、咳がでやすくなります

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