消化管からの吸収率では、ヘム鉄は非ヘム鉄の5~6倍と言われています。
また消化管への影響では、非ヘム鉄は細胞内に取り込まれる際に、3価から2価への鉄となるのですが、この2価のむき出しの鉄が「むかつき」の原因となります。
一方ヘム鉄は、ポルフィリンと複合体をつくるため、そのような胃腸障害を起こしません。過剰摂取も起こりにくいと言われています。
①フェロミア50mg/錠(20.4円/100mg)
②フェロ・グラデュメット105mg/錠(17.5円/100mg)
③インクレミンシロップ5%(101.7円/100mg)

残念なことに、このいずれもが「非ヘム鉄」なのです。
つまり吸収が悪く、胃腸障害をきたしやすいものしか、医療機関では処方できないのです。
そして「ヘム鉄」となると、市販されているサプリメントに頼らざるを得ないわけですが、インターネットで検索してみると以下の「ヘム鉄」が上がってきました。
(※治療に要する非ヘム鉄100mg/日に相当するヘム鉄を20mg/日として値段を比較)
①DHC「ヘム鉄」(5mg/錠、約5.8円/錠⇒約23円/20mg)
②アサヒ「ディアナチュラ ヘム鉄」(3mg/錠、約23円/錠⇒約160円/20mg)
③フジテックス「ワカサプリ ヘム鉄」(3mg/錠、約36円/錠⇒約250円/20mg)

結局のところ、健康保険を使えば比較的安く済みますが、「非ヘム鉄」なので飲めない方もいます。
市販のサプリを買えば簡単に「ヘム鉄」が手に入りますが、治療に使う高用量を摂ろうとするとお値段は高くなります。