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ブロチゾラム0.25mg錠の半錠は自家製剤加算をとれる?

「ブロチゾラム」0.25mg錠の半錠では、自家製剤加算を算定できる?

(処方例)
Rp1)レンドルミンD錠0.25mg   0.5錠
   分1 就寝前       30日分


クイズの答え 非表示

  • Aできる(※2020年4月1日以降)

今回ピックアップする算定項目は?「自家製剤加算」

錠剤を半錠にした際に「自家製剤加算」を算定できるかどうかは、「半分にして出来上がった量の規格が薬価収載されているかどうか」が1つの基準になります。

(根拠法令:調剤技術料 01薬剤調整料 11自家製剤加算 キ)
「錠剤を分割する」とは、医師の指示に基づき錠剤を分割することをいう。ただし、分割した医薬品と同一規格を有する医薬品が薬価基準に収載されている場合は算定できない。

クイズの解説

「ブロチゾラム」は、不眠症の場合1回0.25mgを就寝前に経口投与するのが通常ですが、添付文書には「年齢、症状、疾患などを考慮して適宜増減する」とあり1)、1回0.125mgで経口投与することもあります。従来「ブロチゾラム」には、『ブロチゾラム錠0.125mg「NP」』という0.125mg規格が存在していたので、0.25mg錠を半錠にしても「自家製剤加算」を算定することはできませんでした。
しかし、2020年3月31日に『ブロチゾラム錠0.125mg「NP」』が薬価削除されたことで、「ブロチゾラム」の0.125mg規格は存在しなくなりました。これによって、「ブロチゾラム」0.25mg錠の半錠は「自家製剤加算」の算定要件を改めて満たすことになりました。つまり、2024年6月現在は算定可能な状態となっています。

ブロチゾラム0.25mg錠の半錠は自家製剤加算をとれる?の画像2

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点数を計算してみよう!

具体的な例を用いて、計算してみましょう。

(処方例)
Rp1)レンドルミンD錠0.25mg   0.5錠
   分1 就寝前       30日分

『レンドルミンD錠0.25mg』の薬価は12.50円なので、薬剤料は30日分で30点、内服薬の薬剤調整料は24点、調剤管理料は29日分以上の場合60点です。

現状(2024年6月1日以降)
『ブロチゾラム錠0.125mg「NP」』が薬価削除された2020年4月1日以降は、『レンドルミンD錠0.25mg』を半錠にした場合「自家製剤加算」を算定できます。算定漏れが起こらないよう、改めて確認をしておきましょう。

薬剤料と薬剤調整料と調剤管理料に加えて「自家製剤加算」が算定できます。
「自家製剤加算」は7日分ごとに20点で、錠剤を分割する場合は100分の20で計算するため、20×5=100点の100分の20、つまり20点が算定できます。

薬剤料(30点)と薬剤調整料(24点)と調剤管理料(60点)と自家製剤加算(20点)を合わせて計算すると、30+24+60+20=134点です。

(根拠法令:調剤技術料 01薬剤調整料 11自家製剤加算 ク)

錠剤を分割して予製剤とする場合においては、予製剤とする場合又は錠剤を分割する場合と同様に自家製剤加算の所定点数を100 分の20 にし、小数点以下第一位を四捨五入した点数を算定する。

こんな類似事例にも注意しよう!

以下の場合は「自家製剤加算」が算定できるかどうか考えてみましょう。

  • 『ワーファリン錠5mg』を半分に割った場合
  • 『ザイザル錠5mg』を半分に割った場合

ポイントは「出来上がった量の規格が薬価収載されているかどうか」です。

(1)『ワーファリン錠5mg』を半分に割った場合:算定できる

『ワーファリン錠』には、5mg錠、1mg錠、0.5mg錠の規格が存在します。5mg錠を半分にすると2.5mgになりますが、1mg錠と0.5mg錠を組み合わせれば2.5mgにすることはできます。しかし、「自家製剤加算」の算定において問題になるのは「2.5mgの規格が存在するかどうか」です。現状、「ワルファリン」の製剤には先発医薬品・後発医薬品を問わず2.5mgの規格は存在しないため、「自家製剤加算」は算定できます。

ブロチゾラム0.25mg錠の半錠は自家製剤加算をとれる?の画像3

(2)『ザイザル錠5mg』を半分に割った場合:算定できない

『ザイザル錠』には、従来5mg錠しか規格が存在しませんでした。そのため、5mg錠を半分にした際は「自家製剤加算」を算定できていました。しかし、2020年6月1日に『ザイザルOD錠』の2.5mg規格が薬価収載されたため、現在は『ザイザル錠5mg』を半錠にしても「自家製剤加算」は算定できません。(→第1回へ

ブロチゾラム0.25mg錠の半錠は自家製剤加算をとれる?の画像4

柳田さんからのアドバイス

以前クイズで取り上げた「レボセチリジン」5mg錠の半錠は、新たに規格が薬価収載されたことで「自家製剤加算」が算定できなくなりました。今回の「ブロチゾラム」0.25mg錠は、0.125mg規格が薬価削除されたことで「自家製剤加算」が算定できるようになりました。どちらも2020年に変更となったもので、「自家製剤加算」が日々状況の変わる加算であることがよくわかります。後発医薬品の発売などで新しい規格が増える場合の方が、情報として目にする機会は多いように思いますが、薬価削除もしっかりと確認しましょう。前回と同じことの繰り返しになりますが、自店舗の採用薬品の「自家製剤加算算定の可否」を一覧にまとめ、随時更新して活用すると情報共有ができて便利です。

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