私たちヒトの全身は皮膚におおわれていますが、そもそもなぜ皮膚が必要なのか、考えてみたことがあるでしょうか。
日ごろ、皮膚の存在に恩恵を感じる機会は少ないかもしれませんが、実際には触覚を司ったり、外界との熱交換を行ったりと、様々な働きをしています。
こうした皮膚の機能の中に「保護」というものがあります。これは、その名の通り私たちの身体を守ってくれるという機能ですが、より具体的には有害物質やウイルスなどの侵入を防いでいます。これにより、我々の健康が保たれるのです。
一方で、薬を使用する状況の時には、こうした皮膚の機能がマイナスに働くケースがあります。
具体的には、湿布などの貼り薬を使う場合です。薬も身体にとっては本質的に異物なので、上で紹介した皮膚の保護機能によって、身体に入らないようにブロックされてしまいます 。こうした事情から、貼り薬の開発は常に皮膚の保護機能との戦いと言えます。
今回の記事テーマであるロコアテープとロキソニンテープは、どちらも痛み止めとして使用する貼り薬です。
ロキソニンテープを含めた従来製品は、先ほど述べた皮膚のバリア機能の影響から、効果を期待する部位への吸収があまり良くないという問題点を抱えていました。そこで「より吸収されやすい貼り薬を生み出そう」という意図から開発されたのが、ロコアテープというわけです。
どのくらい吸収されやすいかと言えば、2枚を貼ったときの血液中の薬物濃度が、飲み薬を飲み続けた場合とほとんど同じになるほどです 。通常の貼り薬では、血液中まで有効成分が届く割合は極めて少ないと考えられるので、これは従来製品との大きな違いと言えます。
こうしたことから、ロコアテープは貼り薬でありながら、飲み薬に近い性質を持った薬であると言うことができます。
■ロコアテープ
変形性関節症のみ
2016年1月に発売された薬で、海外でもまだ使用実績がないため、使用できる病気が限定されています
■ロキソニンテープ
変形性関節症、筋肉痛、外傷後の腫脹・疼痛
こちらは、普通のケガなどにも使うことができます。
■ロコアテープ
1日1回患部に貼る。1日に貼れる上限は2枚である。
ロコアテープは吸収が良いので、たくさん貼ると薬をを大量に飲んだのと同じような影響を体に与えます。そのため、一度に使用できる枚数が制限されています。
■ロキソニンテープ
1日1回患部に貼る
特に、使用枚数についての制限はありません。