乾癬は皮膚の炎症症状を伴い慢性の経過をとる病気です。「かんせん」という名前から「人から人にうつる」と誤解されやすいのですが、他の人に感染する病気ではありません。皮膚症状の見た目や現れる場所は人によってさまざまですが、頭皮や髪の生え際、ひじ、ひざなど比較的外からの刺激を受けやすいところに出やすいという傾向があります。典型的な症状は、皮膚から少し盛り上がった[浸潤・肥厚(しんじゅん・ひこう)]赤い発疹[紅斑(こうはん)]の上に、銀白色のフケのようなもの[鱗屑(りんせつ)]がくっついてポロポロとはがれ落ちます。
乾癬の症状の一例
乾癬の皮膚では、炎症を起こす細胞が集まって種々の炎症を起こす物質を出しているため、毛細血管が拡張し、皮膚が赤みを帯びた状態になります。また皮膚の細胞が、正常な皮膚と比べて10倍以上の速度で生まれ変わり、増殖が過剰な状態になっています。過剰に増殖した細胞により、皮膚は厚く積み上がって盛り上がり、最終的には鱗屑となってはがれ落ちていきます。

健康な皮膚のサイクル

乾癬の皮膚のサイクル
オテズラ錠とは
オテズラ錠は、PDE4(ピーディーイーフォー;ホスホジエステラーゼ4)阻害剤とよばれる新しいタイプの乾癬の飲み薬です。塗り薬で十分な効果が得られない患者さんや、関節症状がある患者さんに使われます。
オテズラ錠が作用するしくみ
PDE4(ピーディーイーフォー)は身体の中の細胞に存在する酵素(タンパク質)で、炎症を引きおこす物質の産生にかかわっています。乾癬患者さんの皮膚や免疫細胞では、PDE4(ピーディーイーフォー)が正常よりも多く存在しているため、免疫バランスの異常が生じています。そのため炎症がおこり、乾癬の症状が現れていると考えられています。
オテズラ錠は、PDE4(ピーディーイーフォー)の働きを抑えることで、身体の中の乱れた免疫バランスを整え、炎症を抑えて、乾癬の症状を改善します。
