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リーマンショックとは?

リーマンショックとは米国を震源地とする金融危機で、2008年9月に発生しました。

米国ではリーマンショック発生の前年から各種の問題が顕在化しており、リーマン・ブラザーズの経営破綻が金融資本市場全体の機能不全をもたらしています。

この影響は米国内に留まらず、日欧など世界全体に広がりました。

リーマンショックが起きた原因

リーマンショックが起きた原因として、2007年のサブプライムローン問題が挙げられます。

  • サブプライムローンとは
  • 投資銀行の経営破綻と連鎖的な影響

サブプライムローンとは

サブプライムローンとは、信用力の低い借り手に対する住宅ローンです。

信用力が低いので返済が滞る可能性があるものの、それに見合うだけの高い金利を設定していました。

銀行はサブプライムローンを証券化し、機関投資家等に広く販売しました。

銀行としては、債券の証券化で収益を見込めるメリットがあり、機関投資家としては高利率の収入を得られるのが利点でした。

住宅価格が上昇している間は、サブプライムローンの問題は顕在化しませんでした。

住宅価格が上がると、住宅の含み益増加を通して債務者(=住宅保有者)の資産が増加するためです。

投資銀行の経営破綻と連鎖的な影響

2007年に不動産価格の上昇が止まり、景気に陰りが出始めると、債務を返済できない例が多数発生しました。

不動産価格は上昇から下落に転じたので含み損であり、従来のように含み益を使って返済をやりくりできません。

サブプライムローンを発行していた銀行は、大きな損失を被りました。

本来、不動産価格の下落は米国内の問題ですが、サブプライムローンは証券化されて欧米の機関投資家等に広く販売されており、その悪影響が世界各地に広がっていきました。

リーマンショックの市場への影響

リーマンショックが市場に対してどのような影響を与えたか、日米の株式市場を例に紹介します。

  • ・週足チャート
  • ・月足チャート

週足チャート

・日経平均株価

・S&P500

リーマンショック前後の株価指数について、日経平均株価S&P500の週足チャートを並べると、似た動きをしていることがわかります。

2007年のサブプライムローン問題を受けて、指数はいずれも下落傾向に転じています。

リーマンショックが起きた週は下落しているものの、下ヒゲが長く、週足ベースでは下落幅は大きくありません。

市場は混乱しつつも、リーマンショックの評価について迷っていた可能性があります。

その後、大きく下落しました。

2009年前半に底打ちして上昇に転じており、この点でも日米で似た動きです。

月足チャート

月足チャートで日経平均株価とS&P500を比較すると、週足チャートと様相が異なります。

・日経平均株価

S&P500

底打ちした時期はほぼ同じでしたが、日経平均株価は上昇力が弱く横ばいで推移しました。

2015年にリーマンショック前の高値を超えたものの、反落しており力強さに乏しいです。

その一方、S&P500は底打ち後に右肩上がりで推移しています。

2013年のうちにリーマンショック前の高値を超え、上昇がさらに続きました。

サブプライムローン問題やリーマンショックは米国を舞台にして発生したにもかかわらず、日本株の方が長期間にわたって悪影響を受け続けたことになります。

リーマンショック後の金融・財政政策

リーマンショック発生後の日米の対応を紹介します。

  • 米国
  • 日本

米国

米国では、金融と財政の両面から景気対策が実行されました。

金融面では、2008年10月に米英欧など6つの中銀が協調して政策金利を引き下げています。

また、2008年末まで政策金利を引き下げ、その後は非伝統的な手法であるQE(量的緩和)に踏み切っています。

財政面では、当時の過去最大規模の財政支出を決定し、減税や州財政の支援などを行いました。

この結果、失業率は2009年10月に頂点に達し、その後は緩やかに低下しました。

底打ちした時期はほぼ同じでしたが、日経平均株価は上昇力が弱く横ばいで推移しました。

2015年にリーマンショック前の高値を超えたものの、反落しており力強さに乏しいです。

その一方、S&P500は底打ち後に右肩上がりで推移しています。

サブプライムローン問題やリーマンショックは米国を舞台にして発生したにもかかわらず、日本株の方が長期間にわたって悪影響を受け続けたことになります。

日本

日本は2008年10月の協調利下げに参加しませんでした。

米欧に比べて日本の経済状況は安定しているとの判断に基づく行動です。

しかし、その後は政策金利を引き下げ、長期国債を買い入れて資金を市場に供給するなどの施策を講じています。

また、財政政策として「生活防衛のための緊急対策」を実施し、雇用対策や税制改正を行いました。

この結果、日本の失業率は2009年7月をピークに低下に転じています。

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