1.アボルブカプセルの取り扱い上の注意
アボルブカプセルは『経皮吸収されることから、女性や小児はカプセルから漏れた薬剤に触れないこと。漏れた薬剤に触れた場合には、直ちに石鹸と水で洗うこと』と注意喚起されている。
上記の注意喚起の理由を以下にまとめる。
・デュタステリドの女性への投与は禁忌となっている。
ラット及びウサギにデュタステリドを経口投与した結果、雄胎児の外生殖器の雌性化が認められた。本剤の曝露により血中ジヒドロテストステロンが低下し、男子胎児の外生殖器の発達を阻害する可能性がある。(引用文献参照)
・デュタステリドは経皮吸収される。
ウサギに貼付した際の血清中に未変化体が検出され、経皮吸収されたことが報告されている。また、毒性試験において、ラット及びウサギの雄胎児の外生殖器の雌性化がみられ、ともに奇形に対する無影響量が求められていない。さらに、本剤の消失半減期が長い(健康成人における単回投与時の消失半減期:89~174時間)。これらを勘案して、取り扱いには十分に注意する必要がある。
2.他の注意すべき薬剤
同一成分で、男性脱毛症に適応があるザガーロカプセル<一般名:デュタステリド>も同様の注意が必要である。
ザガーロカプセル<一般名:デュタステリド>と同じ5α還元酵素阻害薬で男性脱毛症に適応があるプロペシア錠<一般名:フィナステリド>では、フィルムコーティングされているので、割れたり砕けたりしない限り、通常の取扱いにおいて有効成分に接触することはないが、粉砕・破損した場合、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳中の婦人は取扱わないように注意喚起されている。また、分割・粉砕は不可である。