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がん性疼痛の基礎と世界初の貼付型がん性疼痛治療薬:ジクトルテープ

2021年5月、がん性疼痛に適応を有する経皮吸収型NSAIDsとしてジクトルテープ75mg(一般名:ジクロフェナクナトリウム)が発売されました。

ジクトルテープの基本情報

有効成分

ジクロフェナクナトリウム

効能・効果

各種がんにおける鎮痛。

用法・用量

1日1回、2枚(ジクロフェナクNsとして150mg)を胸部、腹部、上腕部、背部、腰部又は大腿部に貼付し、1日(約24時間)毎に貼り替える。

【添付文書】用法及び用量に関連する注意

本剤3枚貼付時の全身曝露量がジクロフェナクナトリウム経口剤の通常用量投与時と同程度に達することから、1日貼付枚数は3枚を超えないこと。

1日3枚までと制限がある貼付剤ですね。
押さえておきたいポイントです。 
また、ジクトルテープは全身作用型の貼付剤になります。
同有効成分の薬剤としてボルタレンテープもありますが、こちらはがん性疼痛への適応はなく、局所作用型の貼付剤になります。

薬物動態

ジクトルテープは投与7日目以降に定常状態に達するので、効果が安定するためには1週間以上かかります。
そのため、患者には十分な効果が得られるには1週間程度かかることを伝えることが重要です。
ジクトルテープの効果が十分に得られるまでは、他の鎮痛薬の併用が望ましいかもしれません。

【添付文書】用法及び用量に関連する注意

本剤投与時は他の全身作用を期待する消炎鎮痛剤との併用は可能な限り避けることとし、やむを得ず併用する場合には、必要最小限の使用にとどめ、患者の状態に十分注意すること。

添付文書上も、他の鎮痛薬との併用に関して注意喚起はありますが、必要最小限であれば併用も可能そうです。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00069359

ジクトルテープとロコアテープとの併用について

ジクトルテープとロコアテープは、同じNSAIDs(非ステロイド性鎮痛消炎薬)であり、全身に作用するため、併用は基本的に避けるべきです。副作用の危険性を増やす可能性があるため、医師または薬剤師に相談することを推奨します。

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