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クラバモックスが食直前の理由・空腹時投与はOK?オーグメンチンとの比較

クラバモックスは食直前に服用する理由

クラバモックスのインタビューフォームによると、

外国人健康成人12名(男女各6名:平均年齢30歳)を対象に、CVA/AMPC=125/875mg(1:7製剤)を空腹時あるいは高脂肪食開始直前、開始後30分、150分にクロスオーバー法により投与し、AMPCとCVAの薬物動態に及ぼす食事の影響を検討した結果、AMPC の薬物動態に及ぼす食事の影響はごくわずかであった。一方、CVAの相対的なバイオアベイラビリティは、空腹時投与と比較して、高脂肪食摂取開始30分、150分に投与すると顕著に減少したが、高脂肪食摂取開始時(食直前)に投与すると、被験者間変動も小さく、良好な吸収を示した。

引用元 クラバモックスインタビューフォーム

となっています。

このように、クラバモックスの成分の内、クラブラン酸カリウムが食後投与だとBA(バイオアベイラビリティ)が顕著に減少するため、食直前となっています。

具体的にどれくらいBA(バイオアベイラビリティ)が低下するのか、また空腹時投与ではダメなのか、発売元のGSKさんに聞いてみたところ、クラブラン酸カリウムの空腹時の吸収を100%とした場合、食直前に投与した場合は151%に上昇、食後30分に投与した場合は75%に低下したというデータがあるそうです。

以上からも、クラバモックスは食後でも空腹時でもなく、食直前に服用してもらうよう注意喚起が必要です。

しかし、特に体調を崩した時、小さいお子さんはミルクや離乳食などの時間や、機嫌のいいタイミングが不規則なので、
「絶対に食直前に服用させないとダメです」といった指導はさけて、食直前に服用できたらラッキーくらいのスタンスで指導するのが自然だと私は考えています。

またクラバモックスは細粒が小さくそのまま服用するとムセやすいことから懸濁が必須の製剤です。

製薬メーカーによるとそのまま粉で投与した場合の薬物動態や有効性のデータがないため、懸濁して服用してもらうようにお伝えしなければいけません。

オーグメンチンに食直前の縛りがない理由

オーグメンチン配合錠にもクラバモックスと同じ、クラブラン酸カリウムとアモキシシリン水和物が含有しているにも関わらず、用法は「1日3〜4回を6〜8時間毎に経口投与」と食事の縛りがありません。

ではなぜ食直前の縛りがないのでしょうか。

クラバモックスには0.505g中、クラブラン酸カリウムが21.45mg含有しているのに対して、オーグメンチン配合錠250RSにはクラブラン酸カリウムが125mg含有されています。

1回の服用あたりのクラブラン酸カリウムがクラバモックスの場合は少なくなるため、食直前の縛りをうけますが、オーグメンチンは充分な量のクラブラン酸カリウムが含まれているため、多少BAが低下しても治療には影響がでない程度なので食後でもOKとなっています。

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